シェイグレン症候群と歯科の関係性について

2024年11月27日(水)

大和市大和駅徒歩2分のまごころ歯科です!

今回はシェイグレン症候群と歯科の関係性についてコラムをお伝えしたいと思います。

シェイグレン症候群は、自己免疫疾患の一つであり、主に唾液腺や涙腺が影響を受ける病気です。この病気により、口腔内や眼の乾燥が一般的な症状として現れますが、歯や歯茎、そして歯科医療全般にも深刻な影響を及ぼします。ここでは、シェイグレン症候群と歯科の関係性について考察します。

シェイグレン症候群の概要

シェイグレン症候群は、体の免疫システムが自己の涙腺や唾液腺を攻撃することで引き起こされる疾患です。これにより、機能が低下した涙腺や唾液腺は十分な液体を生成できなくなります。その結果、眼の乾燥や口腔の乾燥(ドライマウス)が生じ、これが重篤な歯科的問題につながるのです。

口腔乾燥症の影響

ドライマウスは、口腔内の環境を劣化させ、虫歯や歯周病のリスクを高める要因となります。唾液は食べ物の消化や口腔内の洗浄に必要不可欠であり、口内のpHを維持する役割も果たしています。唾液の分泌が減少すると、口腔内のpHが変動しやすくなり、これが菌の繁殖を助長します。唾液による自然の抗菌作用が減ることから、虫歯や歯周病のリスクが高まるのです。

さらに、口腔内が乾燥することで、歯茎の炎症や口内炎が発生しやすくなります。これらは痛みを伴い、食事や会話に支障をきたすことがあります。こうした症状は、患者の日常生活の質を著しく低下させます。

歯科治療における考慮事項

シェイグレン症候群の患者は、通常の歯科治療において特別な配慮が必要です。たとえば、歯科医師は患者の口腔乾燥を考慮し、診察時に唾液の分泌を促す方法を検討する必要があります。唾液を保つための保湿剤や、ドライマウス用の専用製品(スプレーやゼリーなど)の使用が推奨されます。

また、定期的な歯科検診を通じて、虫歯や歯周病の早期発見を図ることが重要です。疾患の進行を防ぐためには、患者自身も日常的に口腔ケアを行うことが求められます。フッ化物配合の歯磨き粉を使用したり、糖分を控えた飲食を心掛けたりすることが、口腔の健康を維持する鍵となります。

リスクと合併症

シェイグレン症候群は、単独での影響だけでなく、他の自己免疫疾患や健康問題とも関連している場合があります。これには、リウマチや甲状腺疾患が含まれます。これらの疾患は、口腔内の健康にさらなる悪影響を及ぼす可能性があるため、多角的なアプローチでのケアが重要です。

加えて、シェイグレン症候群の患者は、口腔内の感染症に対する感受性が高まるため、予防策を講じることが求められます。特に、抗菌治療や抗生物質の使用については、医師や歯科医師と十分に相談することが重要です。

まとめ

シェイグレン症候群と歯科の関係性は非常に密接です。口腔乾燥症は、虫歯や歯周病のリスクを高め、患者の日常生活に直接的な影響を及ぼします。歯科医療提供者は、シェイグレン症候群の患者に特有のニーズを理解し、適切な治療と予防策を提供する責任があります。患者自身も、日常的な口腔ケアを行い、定期的に歯科医の診察を受けることで、健康な口腔環境を維持することができるのです。シェイグレン症候群における口腔健康の重要性は、これからの医療においてます注目されるべきテーマであります。

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